----- 2022 / On-going -----

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01~10_TinyFlowers(On-going)
(M) Media Size:  483 x 329mm ( 19 x 13inch )
 — Image size: 408~431 x 289mm ( 16~17 x 11.4inch ), Edition: 10
Archival pigment print
Paper: INNOVA Fabriano Artistico Watercolour Rag

STATEMENT

以前、スベトラーナ・アレクシエービッチの「戦争は女の顔をしていない」という本を読んだ。それは第二次世界大戦でロシア軍に従軍した女性兵士たちの証言集であった。ほんのまだ10代の少女たちが背負った過酷な運命に私は深い衝撃を受けた。

ウクライナ戦争が続く中、連日流れるニュース映像では、逃げ惑う市民の姿が映し出され、私は幾度となく涙が流れた。彼らの苦悩と悲しみを思うと、かつての少女たちの過酷な運命と時を経て何も変わらないその現実の残酷さに愕然とした。

気がつくと、私はその映像から受け取った強烈なイメージを自らの手で描きとっていた。壊れた窓や建物、公園、、、そこには人々の暮らしが、子供たちの笑い声があったはずなのだ。

それが突然、奪われた理不尽さ、その非業さに思いを馳せた時、そこに現実に咲く花を添えたい衝動に駆られた。私はその絵と小さな花の写真を組み合わせて1枚の作品を作った。それはそこで亡くなったであろう人々や子供達を悼み、彼らを記憶に留めたかったからだ。路傍に咲くちっぽけな花が、踏み潰されようともまた花を咲かすように、出来れば彼らに少しでも希望を持ってほしいと願ったからなのだ。

普段は見過ごしがちなほんの小さな花に気がついて、ふと癒されることがある。そんなちっぽけな花と、戦禍を生きる市井の人々が、私の中で重なった。